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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

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午後8時の訪問者

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ

(ネタバレ)ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧!

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パリ、恋人たちの影

監督:フィリップ・ガレル

(ほぼネタバレ)恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。

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ブラインド・マッサージ

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(完全ネタバレ)これに金熊を与えなかった審査員が信じられない!

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たかが世界の終わり

監督:グザヴィエ・ドラン

グザヴィエ・ドラン、会話劇で新境地

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映画「モン・ロワ 愛を巡るそれぞれの理由」(ほぼネタバレ)大人のリアルな愛憎劇、決してベティ・ブルーではない(笑)

映画

『ベティ・ブルー 愛と激情の日々』から30年…は、宣伝文句とはいえ余計ですね(笑)。

映画の製作者にそんな意識はまるでないでしょうから、日本の宣伝関係者によほど「ベティ・ブルー」を好きな人がいるのでしょう。

まあ、私も好きですし、これまで見た中からお勧めを1本をと言われたら、あるいは「ベティ・ブルー」をあげるかもしれませんので、DVDを見直してみようと思わせてくれたことは悪くないんですけどどうなんでしょう…。

タイトルの「Mon Roi」は「My King」という意味らしいです。トニーから夫のジョルジオを指しているわけですが意味深です。

 

監督:マイウェン

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スキーで大けがを負ったトニーは、リハビリセンターで黙々とトレーニングを続けながら、元夫のジョルジオとのハリケーンのような10年間を振り返る。トニーは弁護士、一方のジョルジオはいつも美女に囲まれて派手な暮らしを送っていた。そんな二人がなぜ愛し合うことになったのか?トニーは、裏切っては愛を誓い、逃げ出しては舞い戻り、嵐のようなジョルジオに身も心も引き裂かれる─。(公式サイト

 

監督はマイウェンさんという方で誰だろう?と思いましたら、リュック・ベッソン監督の二人目(かな?)の妻だった人で、15,6歳の時に出会い、17歳で結婚しているようです。リュック・ベッソンさんってロ◯◯◯ですからね。

 

まあそんなことはどうでもいいんですが、「レオン」や「フィフス・エレメント」に出ていたとあります。その後は活動休止状態で、復帰後は俳優よりも監督業を志向しているようで、2011年に「パリ警視庁:未成年保護部隊」という作品でカンヌのコンペ部門に出品し審査員賞をもらっているようです。日本ではDVDスルーです。

 

で、この映画、ほぼ全編、ジョルジオ(バンサン・カッセル)とトニー(エマニュエル・ベルコ)の愛憎シーンで作られていますので結構疲れます。それに、引用のあらすじにありますように、冒頭、すでに離婚しているトニーがスキー場で怪我をし、その後リハビリセンターでジョルジオとの過去を思い出すという構成になっていますので、幾度も現在のリハビリセンターのシーンが挿入されます。

そのリハビリセンターがかなり立派なところで、それにかなりの人数が入院(というのかな?)しており、それぞれ2年かかるだの3年だのと話していましたので、どれだけ余裕のある人達なんだと、ここ突っ込みどころじゃないんですが、そっちが気になってしまいました。

 

このリハビリセンターというのは、トニーにとって、肉体的な怪我だけではなく、ジョルジオとの心の傷を癒やして立ち直るという意味も持たせているわけで、そのために他の入院患者、特に若い男性たちとの交流シーンがかなりあります。

ところが、このリハビリセンターのシーンが生きていないですね。

最後の方に、ひとりの男がトニーに「なぜ我々(若い男たちという意味)と遊ぶのだ?」と尋ねますと、トニーは「ただ楽しいから(だったと思う)」と答えていましたが、まあそりゃそうでしょうが、映画的には実につまらないです。

 

振り返る過去の10年間はと言いますと、そもそもの二人の愛そのものに強さがあまり感じられません。

 

世の中に純粋な愛なんてものがあるかどうか分かりませんが、この二人の愛はある種しがらみ的にみえます。

 

ジョルジオはいわゆる遊び人タイプのキャラクターであり、トニーにとってはこれまでの男性認識からはかなり規格外として描かれており、その勢いに引きづられているようにみえます。

出会いのシーン、いわゆる口説きの場面で、ジョルジオは自分の携帯番号を教えようと言って携帯そのものをトニーに渡したり、突然トニーの子供が欲しいと言ったりします。

 

一方のトニーも、バツイチという設定もありますし、最初のセックスで、まず普通はしないだろうという話題を持ち出したりします。どんな話題かは興味があれば映画をみてください。

 

といった感じで、ある時突然相手しか見えなくなるといったいわゆる盲目的な愛ではなく、なんとなく成り行きでそうなってしまう大人の恋愛として描かれています。

 

で、望み通り、子どももでき、その後結婚もするわけですが、ここからがまさしく大人の恋愛らしく修羅場の連続で、それでも離れられない二人となります。

 

その一番の理由は、ジョルジオが実は、遊び人=自由人=弱い人間=ダメ男であり、たとえば元カノへの責任感とも執着ともつかない離れがたい感情を捨てきれず、多分元カノもそれをよく分かっていてジョルジオに依存し、元カノが自殺未遂までするという事件が発端となり、二人は別居する羽目になります。

また、これが突然過ぎてかなり違和感のあるシーンなんですが、ある時、ジョルジオがトニーに、実は自分は強がってはいるが弱い人間でドラッグに頼っていると告白します。

このあたりは男がよくやる手ですので気をつけましょう(笑)。

 

さらに修羅場は続き、挙句の果てに離婚となり、子どもの親権を争うまでになります。

 

何だか書いていても嫌になります。大人の恋愛ってこんなもんですよ。って本当か?(笑)

 

まだいろいろ書こうと思ったことがあったように思いますが、もう、まとめちゃいましょう。

 

つまり、この映画は、愛情とは様々な執着心の複合心理状態だと言っているわけです(笑)。

 

「ベティ・ブルー」見よっと。

 

ベティ・ブルー インテグラル 完全版 (ノーカット完全版) [DVD]

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