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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

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午後8時の訪問者

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ

(ネタバレ)ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧!

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パリ、恋人たちの影

監督:フィリップ・ガレル

(ほぼネタバレ)恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。

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ブラインド・マッサージ

監督:ロウ・イエ

(完全ネタバレ)これに金熊を与えなかった審査員が信じられない!

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たかが世界の終わり

監督:グザヴィエ・ドラン

グザヴィエ・ドラン、会話劇で新境地

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映画「おとなの事情」(完全ネタバレ)おとなの事情(原題は"赤の他人")と言いながら、映画の中で起きることは子どもの行い

シチュエーション・コメディのジャンルかと思いますが、ただ見ようによってはかなりシリアスで、身に覚えのある人は笑ってはいられないかも知れません(笑)。

いや、逆かな?

たとえば夫婦で、あるいはカップルでこの映画を見に行ったとすれば、こりゃやばいと思い当たる人は大笑いしてごまかすしかありません(笑)。

大笑いしている隣に気をつけましょう。

 

監督:パオロ・ジェノベーゼ

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ある夜、幼なじみたちがそのパートナーを連れて食事会に集まった。新婚カップル、倦怠期の夫婦、思春期の娘の教育をめぐってうまくいかなくなった夫婦、そして最近“彼女ができた”バツイチの男。7人は携帯を使ったゲームを始める。メールが届いたら読み上げること。電話が鳴ったらみんなの前で話すこと。やがて、電話が鳴り、メールが届き始める。たわいない遊びが、長年培ってきた友情と絆に波紋を投げかける……。(公式サイト

 

始まって1/3くらいまでの速いテンポの無意味な会話のシーンが面白かったです。どうやって撮ったんだろうと思うくらい、見事に7人の会話が途切れることなくカット割りされて編集されていました。

円形に7人が座って食事しながら喋りまくるシーンを、それぞれ正面から抑えたカットが続くわけですから、相当大変だったんじゃないかと思います。

 

で、当然ながらそれは導入ですので、続いて、本編の携帯(スマホ)を使った個人の秘密を暴いていくドラマに入っていくわけですが、正直、間合いによって笑うことはありましたが、ドラマとしての面白さはもうひとつでした。

 

ホームパーティーのホストである夫婦のうち、妻は夫に内緒で豊胸手術をしようとしています。これよく分からないですね。シナリオ作りに行き詰まり、何にしよう何にしようと考えている時に、誰かがふと思いついたんでしょうか、かなり意表をついています(笑)。 

で、その夫婦、実は夫が整形美容医師なのに妻は相談しないという設定であり、さらに、夫は夫で、カウンセリングが仕事の妻に内緒で心理カウンセリングに通っているという、正直、つくり過ぎじゃないのと言いたくなるような設定です。

 

続いて、倦怠期の夫婦ですが、こちらはそもそもの倦怠期であると同時に、夫の母親との同居が妻の方に過大なプレッシャーを掛けているという設定で、共にネットの出会い系サイトのようなところで欲求不満を晴らしているようです。

妻の携帯に老人ホームから電話があったり、夫婦ともにテレフォンセックスのようなものじゃないかと思いますが、相手から電話があったりします。

 

バツイチの男が最近彼女が出来たと言いながら、熱を出したから連れてこられなかったのは、実はその相手が同性であったということなんですが、それを本人がカミングアウトする前に、上の倦怠期の夫と携帯を交換する羽目になり、その夫がゲイであることで仲間の一部から偏見をもって攻撃されるということになります。

このあたりもつくり過ぎ感が強く違和感を感じます。

 

そして、新婚カップルです。このカップル以外はさほど実害(?)はないんじゃないのというくらいの秘密なんですが、このカップルはそれはちょっとだめでしょうという、かなり大胆な設定になっています。

この夫婦はそろそろ子どもが欲しいと考えているようですが、何と男は浮気をしており、その相手から子どもができたようだとの電話が入り、その上、ホストファミリーの妻とも関係があるようです。

これ、何だかわざわざ問題を起こそうとしてつくったような設定ですね。

 

こういう映画にリアリティさを求めるつもりもありませんが、わざわざドラマを作るための設定にする見え見えさがかなり鼻につきます。

 

で、完全にネタバレをしますと、映画内の現実としても、携帯を使ったゲーム自体が実際にあったことではなく、ラスト、皆がそれぞれの秘密を抱えながら、楽しい時間だったねと帰っていくことで終えています。

 

まあ、笑えるかどうかは人それぞれですが、笑うためにわざわざ作り込んだ映画ということだと思います。

 

日本では絶対に作れない映画ですね。その意味ではたまに見るのもいいかなとは思います。

 

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