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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

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「追憶の森/ガス・ヴァン・サント監督」映画としての見どころは、樹海のシーンではなく、アーサーとジョーンの言い争いの場面かもしれない

映画

ガス・ヴァン・サント監督、さほど見ている方ではありませんが、「死」を見つめた映画が多いように感じます。

この映画も、そのものずばりで、アメリカ人のアーサー(マシュー・マコノヒー)が、わざわざ死に場所を求めて日本の青木ヶ原までやってくるという話です。

アーサーは「the perfect place to die」とググッて青木ヶ原を知ったと描かれていましたので、実際に検索してみました。

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青木ヶ原の樹海。そこを人生の終着点にしようと決めて日本にやって来たアメリカ人アーサー(マシュー・マコノヒー)は、出口を求めてさまよう日本人タクミ(渡辺 謙)と出会う。怪我を負い、寒さに震えているタクミをアーサーは放っておくことができず、一緒に出口を探して歩き始める。過酷な状況下、タクミに心を開いていくアーサー。やがて彼は、樹海への旅を決意させた出来事を語り始める……。 (公式サイト


Google

えー? 上のリンクを見てください、google.com でググっても青木ヶ原しか出てきません。なぜなんでしょう?

欧米人から見ると、自殺をするためになぜわざわざ日本へ行くのか?との違和感でブーイング、との記載もありましたが、アメリカで検索してもこの結果ならいいんじゃないの(笑)と思います。

それに、映画を見ても、日本人だからなのか、その点には全く違和感は感じなかったです。

アーサーは、生きる気力を失ったとか絶望とかで死のうとしているわけではなく、生前の妻とのことやなすべきことをなさなかった自分への後悔からくる、とにかくその場から離れたい、どこかへ行きたいという感情が死に結びついたと考えるべきでしょう。

映画としては、ややかったるさも感じますが、ていねいな作りで真面目さが感じられますし、何を置いても、マシュー・マコノヒーさんがいいですね。

ダラス・バイヤーズクラブ」まで知らない俳優さんだったのですが、今の風貌を見る限り、アメリカで受ける要素はあまり感じられなく、また違ったキャラクターだったのでしょうかね。

この映画では、妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)との言い争いの場面が、これは彼だけではなく、ナオミ・ワッツさんも、そして監督もですが、とてもよく、よくと言っても喧嘩の場面ですから気分はよくはないのですが、実にリアルで、アーサーがジョーンにコートを掛ける優しさを見せるところから言い争いになり、ついにはグラスを壁にぶつけるシーンはかなりいい場面だと思います。

死に行くシーンの演技は、実際には見たことはありませんので映画的にという意味でですが、もう少し何かが足りない感じはします。ただ、それも映像や音楽でうまく補われており、違和感を持つほどではありません。

タクミ(渡辺謙)との出会いによって、「死」への意識が「生」へと変化していくあたりの描き方はとても自然ですし、まあ、いくら「死」を描くといっても、「永遠の僕たち」もそうでしたが、ベクトルは「生」に向いているわけですから、おのずと先は見えてきます。

ということで、ガス・ヴァン・サント監督の優しさや真面目さがよく出ているいい映画だと思います。

しいて言えば、救助されてからエンディングに至るシーンがやや説明的でくどすぎるくらいでしょうか。

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