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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

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「バベルの学校/ジュリー・ベルトゥチェリ監督」こうした映画を見ますと、日本で語られるグローバルだの多様性だのという言葉が実に空虚に聞こえます。

映画

何気なく映画の紹介欄をみていましたら「やさしい嘘」の文字が目にとまり、「えっ?」と思い、読んでみますと、ジュリー・ベルトゥチェリ監督のドキュメンタリー作品とのこと、「バベルの学校」という映画をやっているということは知っていましたが、気づきませんでした。

「やさしい嘘」は、珍しく2度も映画館で見ており、空港でのガラス越しのラストシーンはかなり印象深く記憶しています。ただ2作目の「パパの木」はあまり良い印象は残っておらず、一作限りの監督だったのかなあと何となく監督名も記憶の奥に沈んでしまっていたようです。

で、紹介欄を読み進んでみましたら、何と上映は今日までとなっており、慌てて出掛けたわけです。

見て良かったです。三作目の劇映画を製作中とのこと、これなら期待出来ます。

やはりドキュメンタリーは根気ですね。多分、時間をかけて撮ったんでしょう。これだけのアップの映像の連続なのに誰もカメラを意識していませんし、実に自然です。

ある教師の人生最後のクラスにそれぞれの事情をかかえて集まった国籍がバラバラの生徒たち…。出会い、そして別れ。国境を超えた友情に心温まる感動のドキュメンタリー。

アイルランド、セネガル、ブラジル、モロッコ、中国…。11歳から15歳の子どもたちが世界中からフランスのパリにある中学校にやって来た。24名の生徒、20の国籍、そして24のストーリー。家庭的な事情でやってきたもの、辛い母国の生活から逃れてきたもの、亡命を求めてやってきたもの、または単によりよい生活を求めて移民して来たものなど理由は様々。

フランスに来たばかりの彼らが入ったのは適応クラス。このクラスでフランス語を学び、話せるようになるための集中トレーニングを受け、やがては通常のクラスに移るために、他の教科も学んでいく。

国籍も宗教もフランスに来た理由も違う子どもたちの中には時に大声で口論し、泣き、自暴自棄になる子も。ブリジット・セルヴォニ先生は、そんな子どもたちを驚くほどの辛抱強さで見守り、なだめ、そして導いていく。

国籍も宗教も家庭のバックグラウンドも違う十代の生徒たちが、異国の地フランスで、言葉もままならないなか葛藤を抱えて新生活を初め、時にぶつかりながらも様々な壁を乗り越えて友情を育んでいく。そんな彼らの姿は私たちに未来への希望を見せてくれる。(公式サイト

それぞれの子供たちのバックボーン、生まれた国や家族の抱える問題がよく伝わってきます。主張の激しい子、言葉数の少ない子、自閉症気味の子、いろいろな子どもがいます。そして、子供たちの言葉にていねいに耳を傾けるブリジット・セルヴォニ先生がいます。

そして1年(かな?)、適応クラスから通常クラスに移る子、適応クラスに残るよう言い渡される子、別れの日です。先生は今日が自分のこの学校での最後の日と皆に伝えます。静かな感動がみなぎります。

これまでの三作を見る限り、シャルロット・ゲンズブール(パパの木)などというビッグスターを使わず、時間をかけてじっくり作り込んだ方がいい監督のように思います。自作が待ち遠しいジュリー・ベルトゥチェリ監督です。

それにしても、こうした映画を見ますと、日本で語られるグローバルだの多様性だのという言葉が実に空虚に聞こえます。

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