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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

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監督:グザヴィエ・ドラン

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実在したフランスの道化コンビ「フティット&ショコラ」の友情、そして人種差別

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みかんの丘

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この寓話的真実で争いがなくなることはないにしても、この寓話的真実を理解できなければとっくに世界は終わっている。

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「人生スイッチ/ダミアン・ジフロン監督」テーマは、ずばりキレる!登場人物皆キレまくり、飛行機は**、車は**、人は**、あげくの果てに新婚カップルは**!

映画

アルゼンチンで「入場者400万人超という驚異の動員を記録、第2位の『アナと雪の女王』に軽~く2倍以上の差をつけ、国内年間ランキング第1位を獲得した」という映画です。このコピーだけではさほど興味もそそられなかったのですが、アルモドバル(ペドロ・アルモドバル監督)がプロデューサーを買って出たとありましたので、大いに期待がふくらんだわけです。


映画「人生スイッチ」 予告編 - YouTube

インパクトがあって面白いのですが、笑える映画ではないですね。

テーマはずばり「キレる!」だと思います。6つの作品がオムニバス状に並べられているのですが、すべての作品で登場人物皆キレまくっています。

笑える映画ではないと書きましたが、唯一、1本目の「おかえし」とタイトルがつけられた飛行機内の物語は笑えます。それに、この物語は10分くらいしかないのではと思えるほど、あっという間に結末をむかえます。それも目が点になるような!

最近「アイム・ソー・エキサイテッド!」を見たからというわけでもありませんが、この1本目のテンポや展開はかなりアルモドバル的です。

構成上、これを1本目にしていることはかなり成功していると思います。え? なになに、何が起きるの? なんて考えているうちに、あっという間に、とんでもないオチがついてしまいます。

笑いながら、おお、こういう映画なのだ! と感心して2本目を期待していますと、これがいけません。シリアス過ぎて笑えないのです。あるいは、アルゼンチンでは、刑務所での生活の方がシャバよりも楽だなんてことが、事実がごとく語られているのかも知れません。何かそうした現実への皮肉があるにしても、導入の勢いを完全に殺しています。

今思えば、これなくてもいいんじゃないのという気さえしてきます。3本目の「エンスト」に続いていた方がすっきりしそうです。

ところで、この日本語のタイトルいらないでしょう。それに、何を考えて、実際は「パンク」なのに「エンスト」としているんでしょう? 何か深い意味でもあるんでしょうか? 「人生スイッチ」の日本語タイトルも含め、私にはよく分からない宣伝方法です。

それはともかく、3本目、4本目、5本目なんて、物語自体は、それぞれが1本の映画になるくらい面白い話です。ただ、まじめなんですよね。キレ方はすごかったりするんですけど、結局ドラマは極めてまじめです。

で、最後の「HAPPY WEDDING」これは、いいです! 

 盛大な結婚式の最中に、花婿が招待した同僚が浮気相手だと気付く花嫁。ショックのあまり泣きながら屋上に出るが、休憩していたシェフに慰められ、コトに及んでいるところへ花婿が捜しに来る。開き直った花嫁は「全財産はぎ取ってやる!」と恫喝して会場へ。帰ろうとする浮気相手を引きとめ、一緒に踊り始めた花嫁は、彼女に恐るべき復讐を果たす。だが、花嫁が断固としてやり通した式の終わりには、まさかの結末が待っていた──。(公式サイト

花嫁のロミーナ(エリカ・リバス)のキレ方が、「なぜそこまでキレる?」と思わせながらも、どこか納得出来るんです。一気にキレるんではなく、どんどん自分を制御出来なくなっていく様が「ああ、あるわ」と思わせます。この俳優さんうまいです。

で、一体どうオチをつけるのだろうと期待感もふくらんできますが、これが! スゴイです! 私なんて、どう反応していいのか戸惑ってしまいますが、これはアルゼンチン(スペインでも?)なら大受けだったのではないかと想像します。

ということで、あまり内容について語る深みはありませんが、とても面白い映画でした。