そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

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「天才スピヴェット/ジャン=ピエール・ジュネ監督」タイトルや予告編の印象から「天才物語」かと思って見ていましたら随分違って10歳の男の子の心の旅と大人社会へのちょっとした皮肉が主題の映画でした

独特でちょっと奇妙な世界観とまるで色づけしたような明瞭な色彩感が特徴的なジャン=ピエール・ジュネ監督、あらためて考えてみますと「デリカテッセン」「ロスト・チルドレン」以降は、「エイリアン4」と「アメリ」を(多分)DVDで見たきりかも知れません。

「天才スピヴェット」のタイトルや予告編の印象から「天才物語」かと思って見ていましたら随分違って10歳の男の子の心の旅と大人社会へのちょっとした皮肉が主題の映画でした。

天才だが、それゆえに周囲との溝を感じる10歳の少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)。そんな彼にスミソニアン学術協会から、最も優れた発明家に授けられるベアード賞受賞を知らせる電話が。授賞式に出席するため、彼はたった1人で家のあるモンタナからワシントンへ旅立つことに。さまざまな出来事や人々と出会いながら、カウボーイの父親、昆虫博士の母親、アイドルを目指している姉、事故によってこの世を去った弟へ思いをはせるスピヴェット。やがて彼はワシントンに到着し、授賞式に臨む。(シネマトゥデイ

「西部」「大陸横断」「東部」と三章立てになっており、第一章の「西部」は T.S.スピヴェットくん(カイル・キャトレット)のナレーションで構成されているため(私には)かなり煩わしく、「大陸横断」になってやっと映画らしくなってきます。

映像も、「西部」の大草原の映像なども確かに美しくはありますが、やはりジャン=ピエール・ジュネ監督らしく感じたのは「大陸横断」の列車そのものや操車場のシーンなどの濃厚な色彩感です。

三章の「東部」になりますと、子供と大人の視点の違いのようなものが主題のドラマ仕立てとなり、まあ正直大人の描き方が型どおりだなあとは思いますが、ジャン=ピエール・ジュネ監督らしい(かな?)皮肉の効いた内容ではありました。

操車場で暮らすホームレス(かな?)役でドミニク・ピノンさんが出ていました。出演時間は短いのですが、本当にこの人は印象強く残る俳優さんですね。ジャン=ピエール・ジュネ監督には欠かせないんですね。全てに出ているんじゃないでしょうか。

お母さんのクレア博士(ヘレナ・ボナム・カーター)やスミソニアン博物館のG・H・ジブセン(ジュディ・デイビス)も相当印象が強いですし、その他お父さんもお姉さんもそうですが、全体的に脇役の印象が強すぎて主役のT.S.スピヴェット(カイル・キャトレット)くんがちょっとばかりかすんでしまったように思います。

2Dで見たのですが、3D版もあるようで、私はあまり好きではないのですがどうだったんでしょう? 何となく想像できるところも何ヶ所かありました。