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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

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たかが世界の終わり

監督:グザヴィエ・ドラン

グザヴィエ・ドラン、会話劇で新境地

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ショコラ 君がいて、僕がいる

監督:ロシュディ・ゼム

実在したフランスの道化コンビ「フティット&ショコラ」の友情、そして人種差別

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ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

監督:ピーター・ソレット

エレン・ペイジのアップになるたびに涙が流れて…。もちろんジュリアン・ムーアもいいのですが。

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みかんの丘

ザザ・ウルシャゼ監督

この寓話的真実で争いがなくなることはないにしても、この寓話的真実を理解できなければとっくに世界は終わっている。

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最新記事

「イーダ/パヴェウ・パヴリコフスキ監督」モノクロのスタンダードサイズで撮られた映像は美しく印象的です。構図も特徴的です。

映画

公式サイトのフォトギャラリーを見るだけでもその一端は感じられると思いますが、モノクロのスタンダードサイズで撮られた映像は美しく印象的です。構図も特徴的です。下のトレーラーの静止画像もそうですが、多くのシーンで、画面全体に対して人間の占める比率は小さく、さらに人物が画面の下や端に置かれています。

カメラはラストシーンを除いて強固なまでに(そんな印象)固定されており、寡黙でストイックなカットが、これ以上ないくらい大胆に編集されています。シーンが変わるところなど、一瞬、ん?と、躓きそうになるところがありますが、見終わってみれば、それも気になるほどではありません。

60年代初頭のポーランド。孤児として修道院で育てられた少女アンナは、ある日院長からおばの存在を知らされる。一度も面会に来ないおばに興味をもったアンナは彼女を訪ねるが、そこでおばの口から伝えられた言葉に衝撃を受ける。「あなたの名前はイーダ・レベンシュタイン、ユダヤ人よ」。突然知らされた自身の過去。私はなぜ両親に捨てられたのか?イーダはおばと共に出生の秘密を知るために、旅に出ることに......。(公式サイト

アンナ(アガタ・チュシェブホフスカ)と叔母ヴァンダ(アガタ・クレシャ)の数日間の旅は、一見ロードムービーのようにもみえますが、決して移動感やドライヴ感が味わえるわけではありません。そもそもパヴェウ・パヴリコフスキ監督にそんな意図はないでしょうし、美術館で、あるいはギャラリーで、作家の人生をたどる旅に似た感覚です。

アンナは自らのこれからに苦悩し、叔母ヴァンダは過ぎ去りし過去に苦悩します。そして、ふたりの人生が交錯する時、共にそれぞれの道へ踏み出していきます。

ラスト、それまで頑なに動くことを拒んできたカメラが突如動き出します。足早に修道院へと向かうアンナを(多分)レール上のカメラで追い、次のカットではそのアンナを正面から移動カメラでとらえます。

二人を見つめるパヴェウ・パヴリコフスキ監督の距離感がいいですね。ヴァンダの衝動的な(かどうかは分からない)決断も映画的そのものですし、それがあってこそ、その後のアンナの行動も腑に落ちます。

パヴェウ・パヴリコフスキ監督、日本での劇場公開作はこの作品だけのようですが、DVDスルーが2本あるようです。

イリュージョン [DVD]

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マイ・サマー・オブ・ラブ [DVD]

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