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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

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ハンズ・オブ・ラヴ 手のひらの勇気

監督:ピーター・ソレット

エレン・ペイジのアップになるたびに涙が流れて…。もちろんジュリアン・ムーアもいいのですが。

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みかんの丘

ザザ・ウルシャゼ監督

この寓話的真実で争いがなくなることはないにしても、この寓話的真実を理解できなければとっくに世界は終わっている。

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アスファルト

サミュエル・ベンシェトリ監督

人生あれやこれやいろいろあってもまだまだ捨てたものじゃないと気持ちが和らぎます

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ラサへの歩き方 祈りの2400km

チャン・ヤン監督

ただひたすら無心で五体投地、地にひれ伏し他者のために祈る人々が美しいです。

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最新記事

「天国の門/マイケル・チミノ監督」美しいアメリカ西部の風景やCGなし(当たり前だが)の戦闘シーンや群衆シーンなどよりも三角関係の人間模様が面白い

映画

3時間40分という長さにひるみ、さらには公開当時の顛末を読むにつけ、これは見るべき映画かなどと迷っているうちに最終日(昨日)になってしまいました。

いやいや、意外にも、全く長さを感じることもなく、眠くなることもなく、かなり集中してみられました。

とはいっても良かったとは言い難く、たとえばワイオミング州(ロケ地がどこかは?)の風景が美しかったかといえば、確かに壮大ではあっても、意外にも映画はかなり人間くさい三角関係が物語の軸となっており、そこにさほど風景が生かされている感じはせず、戦闘シーンがダイナミックであったかいえば、カメラワークや構図がワンパターンでいまいち迫力がなく、むしろマイケル・チミノ監督が得意としているのは、馬車に両足をひかれる男や自ら拳銃で喉を撃ち抜く女といった人間の表情をとらえたカットではないかと思えたりしたのです。

ただ、さすがにユナイテッド・アーティスツをつぶしただけのことはあり、セットやらエキストラやら馬やらと、相当にお金がかかっていることに間違いありません。

かなりいろいろなものにこだわって撮っていることが感じられました。冒頭のハーバードの卒業式での円を描くようなダンスシーンは、クライマックスの戦闘シーンの構図に繋がっていますし、円を描くようなカメラワークでスピード感を出したりと、全体的に「円」を意識させるシーン多かったです。スモークもすごかったです。戦闘シーンなんて煙りすぎて見えないでしょう(笑)ってくらいに焚いていましたし、室内ではスモークで差し込む光を見せて、時代を感じさせていました。地面の泥も馬車の轍や足跡でかなりでこぼこを強調して見せていました。

ウィキに5時間30分という時間が出てきますが、そうしたバージョンがあるんでしょうか? あるのなら見てみたいですね。というのも、この219分バージョンでもかなり端折られており、卒業シーンから一気に20年とんで、学生だったジム・エイヴリル(クリス・クリストファーソン)はワイオミング州ジョンソン郡の保安官をやっていますが、保安官であることさえ分かり難い上に、ジムは実は家柄も良く裕福で、なのに貧乏人の真似をするなんて意味ありげな台詞があったり、何も説明されないまま女性と一緒の写真が幾度も出てきたりしますので、この20年間にきっと何かあって、それを撮ったシーンがあるのでしょう。それがないとラストシーンも何がなにやら分からなくなってしまいます、というか、実際ラストシーンの女性は誰なんでしょう?

同級生のビリー・アーヴィン(ジョン・ハート)も、あれじゃ何のために出てきたのか分かりませんし、アル中のようになっているのも何か訳があるのでしょう。そういえば、ビリーは移民たちの虐殺計画には一人反対していましたが、最後の戦闘シーンでは、牧場主側の親玉フランク・カントン(サム・ウォーターストン)と一緒にいましたね。どうしちゃったんでしょう?

といったあれやこれやも、実は見ている最中にさほど気になるわけではありません。それがいい映画の持つ力みたいなものですので何とも説明のしようがないのですが、リズムであるとか、流れであるとか、俳優の存在感であるとか、集中を途切れさせない何かなんでしょう。

私は、この映画のもともとの構想はジム・エイヴリルの一代記ではなかったのかという感じがしています。上に書きました写真の件もそうですが、ジムが幾度か自分の年齢のことを語ったり、保安官として移民たちを守ることにさほど執着しておらず、エラ(イザベル・ユペール)に一緒にその地を出ようと持ちかけ、ネイト(クリストファー・ウォーケン)との三角関係が次第に明らかになり、結局、それがこの映画の重要ファクターなんだと分かってきます。イザベル・ユペールクリストファー・ウォーケンがとても良いことと、そして三人の関係に、あまり多くの言葉を使わず、じっくりと俳優の表情をとらえようとしているマイケル・チミノ監督の力によるものだろうと思います。