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そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

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「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち/ヴィム・ヴェンダース監督」「ピナ・バウシュ 夢の教室/アン・リンセル監督]ヴッパタール、行ってみたい街になりました

映画

亡くなってからもう3年になるんですね。ピナ・バウシュの映画が続けざまに2本公開されました。

Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち/ヴィム・ヴェンダース監督

なぜ3Dなんかで撮るんだよ、ヴィム!なんて思いながら見たのですが、何と、3Dの悪印象が拭い去られる美しい映画でした。

3D=アクションものと勝手なイメージがあり、ヴィム・ヴェンダース監督と3Dとは何とも不思議な組み合わせと思ったのですが、なんでも、映画化はピナとの間の20年来の約束であったのを、ついに3Dという表現形態を得て映画化を決心したと東京国際での舞台挨拶で語っています。

それだけに本当にすばらしい映画でした。ピナの代表作「カフェ・ミュラー」「春の祭典」「フルムーン」「コンタクトホーフ」をヴッパタールのオペラハウスに観客を入れてノーカットで撮影したそうです。すばらしいのはそうした3D部分だけではなく、ダンサーがヴッパタールの街やいろんな空間で踊るんですが、これがまたいいんです。コンテンポラリーダンスは屋外によく合います。

出来るならば4作とも全編見たいのですが、そういうわけにもいかず(いって欲しいけどいかないのかな…?)ダンサーたちのピナへの思いが語られ、ん? そういえば、語っているところの映像はなく、ダンサーの表情をとらえたカットに別取りの語りがかぶっていましたね。これは効果的でした。ダンサーたちのピナへの愛がよく伝わってきました。

それにしても人口35万人の地方都市にオペラハウスがあり、交響楽団があり、世界に名だたる舞踊団があり、30数年にわたりそこを拠点に創作活動を続けるという、んー、ヨーロッパですね。

ピナ・バウシュ 夢の教室/アン・リンセル監督

こちらは、ピナの生前に撮られたドキュメンタリー、本人の姿と肉声がたくさん入っています。アン・リンセル監督は、「ヴッパタール在住の芸術評論家でありながら、多くのTVドキュメンタリーの監督を手掛けるほか、ラジオやTV番組の司会、執筆活動などマルチな活躍を続けている(公式サイト)」とのことで、これが長編デビュー作です。

ダンス経験のない(多分)子供たちが1年近くの年月をかけて「コンタクトホーフ」を創り上げていく様子に密着しています。コンテンポラリーダンスクラシックバレエに比べダンサー個々の内的なものに依存する傾向が強く、それだけにある一線を越えると人間そのものが変化する契機になることがあります。この子どもたちもそれぞれに大きく成長していったようです。

ただ、もうひとつ映像からはそれが感じられない、やや消化不良気味の印象が残りました。構成もやや平板で中だるみの感じがします。とはいえ、ピナが子どもたちにダメ出しするシーンもあり、ある種貴重な映像とも言えそうです。

ヴッパタールにはモノレールが走っているようです。「ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」にはダンサー2人がその下で踊るシーンがありましたが、「ピナ・バウシュ 夢の教室」では子どもたちの行き帰りのシーンにモノレールが頻繁に出てきます。

ヴッパタール、行ってみたい街になりました。ウィキによるとトム・ティクヴァ監督もヴッパタール出身ということなんでしょうか。