そんなには褒めないよ。映画評

ミニシアター系映画レビュー*沈黙する言葉

映画タイトルの50音順メニュー作りました!

当サイトおすすめ映画直近の4作品

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午後8時の訪問者

監督:ジャン=ピエール・ダルデンヌ&リュック・ダルデンヌ

(ネタバレ)ダルデンヌ兄弟、相変わらず隙がなく完璧!

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パリ、恋人たちの影

監督:フィリップ・ガレル

(ほぼネタバレ)恋に悩む男女におすすめ、大人になるために。

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ブラインド・マッサージ

監督:ロウ・イエ

(完全ネタバレ)これに金熊を与えなかった審査員が信じられない!

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たかが世界の終わり

監督:グザヴィエ・ドラン

グザヴィエ・ドラン、会話劇で新境地

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最新記事

映画「汚れたミルク」(完全ネタバレ)これは単なる「ネスレ・ボイコット」的告発映画でも、勇気あるひとりの男の物語でもない。

この映画、公式サイト(下に引用)の解説などを読みますと、グローバル企業の不正を暴く告発映画のように思われるかもしれませんが、そう簡単な問題ではありません。

確かに、「巨大企業の悪」対「それに立ち向かう正義の一個人」という図式は、宣伝上は受けるかもしれませんが、ダニス・タノヴィッチ監督の意図は、もう少し違ったところにあるような気がします。

前作の「鉄くず拾いの物語」を思い返してみれば、世の中の理不尽さや社会の不公平さを描いていながら、そのことがことさら強調されることはなく、ただひたすら家族のことを思うひとりの男の姿を描いているだけでした。

 

監督:ダニス・タノヴィッチ

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パキスタンで大手グローバル企業に就職したアヤンは、赤ん坊の粉ミルクを手に病院を行き来、ついにトップセールスマンになる。しかしある日、不衛生な水で溶かした粉ミルクを飲んだ乳幼児が死亡していることを知る。その事実を知っていながら責任放棄をする企業。アヤンは世界最大企業を訴えようとする。しかし、立ちはだかる巨大な権力の壁。ついには人生の全てを投げうって立ち向かう。(公式サイト

 

引用したストーリーを補足しますと、

まず、映画の中の大手グローバル企業というのは「ネスレ」のことであり、粉ミルクの問題というのは、ネスレだけではないのでしょうが、そうした企業が東南アジアなど発展途上国へ進出するにあたって、医師や病院に(映画の中では付け届けや賄賂を使い)入り込み、母乳より人工乳を勧めることで販売を推し進め、結果として、インフラの整っていない地域では汚れた水でミルクを作ることから(映画の中では下痢による脱水症状などの)病気を引き起こし乳児たちが死に至るという社会問題です。

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